《アントロポス》
汝ら人の子よ、かの時より、幾年過ぎ去れども、我は我であり、汝らは汝らである。我々の本質は、無限である。汝らは、長き月日に身を置き、姿や、思考は変われども、汝ら自身である瞳は、変わることなく、永遠である。生まれ出る以前、消え去りし後も、変わることはない。無限であるが故に。
汝らの心の本質は、無限である。我が語りかける汝は、まさに、その中心であることを知るがよい。汝らは、己の本質を見失い、老いて諦め、そしてとどまる。汝らと、その同胞は、互いに奪い、憎しみ、殺めあう。己の本質が見えぬ故に。己の本質を知れ。己は己であるが故に、すべてを包含する。
殺める痛み、苦しむものを見る苦しみもまた、汝らの本質より出るものと知れ。そのような己に従うも、汝ら自身であろうとすることである。汝らの心に、痛みは押し寄せている筈である。己を見つめ、瞳を見開き、己を偽るな。そのときは迫る。
汝らは、肉と、魂の、両方を鍛えよ。この世において、技を成す力と、己であり続ける魂を持て。汝らが悲しみは、汝らのものであり、世の本質である、我のものである。我は、汝らの目によって見、耳によって聴き、肌によって感じる。我は、汝らの魂の奥底の瞳であり、汝を包む、天球である。
人、獣、草木、屑、星々とその空隙。我は、調和を願う。汝ら自身のすべてを知り、そして、欲する処を行え。我は願う。汝らが汝らであらんことを。何れ。



























